2026-05-29
5月12日に開催したClaude Code勉強会では、弊社取締役の戸嶋が登壇し、参加者が実際の使い方や疑問を共有しながらアドバイスをもらいました。
Claude Codeのプランモードは、ファイルの変更やコマンド実行を一切させず、計画書だけを提示させる「読み取り専用」の状態に切り替える機能です。Shift+Tabキーを2回押すか、/planコマンドで起動できます。計画を確認して承認するまでは実際の変更が走らないため、AIが予想外の操作を加えるリスクを抑えられます。大きな作業でも小さな指示でも、まず全体の流れを確認してから進めることが、Claude Codeを安心して使い続ける土台になります。
ただし、プランモードを使えば何でも解決するわけではありません。「プランモードで詰めればいいっていう話じゃないんですよ。」──取締役の戸嶋によるこの一言が、議論の方向を整理しました。
プランモードが力を発揮するのは、前提情報が揃っているときです。「営業戦略を考えて」のような漠然とした指示では、返ってくる計画も抽象的になりがちです。案件リスト、人材リスト、売上目標が揃って初めて、「既存リードの穴埋めを優先するのか、新規開拓に注力するのか」という具体的な問いを立てられます。問いが具体的になるほど、プランモードの提案は実務で使えるものになります。
プランモードへの指示を具体化する方法として、取締役の戸嶋が勧めていたのがCLAUDE.mdの活用です。CLAUDE.mdは、プロジェクトの概要や参照先をClaude Codeに常時読ませるための設定ファイルです。ここに「このプロジェクトは営業戦略を立てるためのものです。使えるリソースは以下の通りです」と書いておくと、毎回の指示を短くできます。案件リストはNotionのこのページ、人材リストはこのCSV、といった形で参照先を整理しておけば、Claude Codeは必要な情報を取りにいける状態になります。
「AIと喧嘩してるんですよ、”言ったじゃん!”って言いながら。」──この発言が出た瞬間、会場では大きな笑いが起きました。セッションが変わるたびに前回の文脈が失われ、同じやり取りを繰り返してしまう。Claude Codeを使う現場では、よくある課題として多くの参加者がうなずいていました。
チャット上だけでプランをやり取りしていると、セッションが変わった瞬間に内容が抜け落ちやすくなります。プランモードで立てた計画は、Markdownファイルなどに書き出しておくことが重要です。「後で忘れるんで。忘れた時にもう一回”これを読み直せ”ってやると、変に圧縮されたりしていない元の文がそのまま読み返せる。」次のセッションでは該当ファイルを渡し、先ほどのプランに従うよう指示するだけで、文脈の引き継ぎがしやすくなります。
「毎回”重要なことを記録しておいて”と言っているが、フォーマットがバラバラで引き継ぎがうまくいかない」という参加者の悩みに対して、取締役の戸嶋は解決策を示しました。最初に一度だけ、「今までの流れをまとめたい。そのためにまずテンプレートファイルを作りたい。必要な項目の洗い出しとボリュームの調整を考えたい」という内容をプランモードで投げます。以降は「このテンプレートに従って記録して」と言うだけで、一貫したフォーマットの引き継ぎドキュメントが積み上がっていきます。勉強会の中でも、「その手があるのか」という反応が出ていました。
大きなドキュメントを一つにまとめてClaude Codeに渡すと、詳細部分が抜け落ちやすくなります。全体の概要を書いたドキュメントと、各トピックの詳細を書いたサブドキュメントに分けて管理するのが有効です。「まず全体を見なさい。そのうえで、今から実装している内容がどの部分と関係しているかを渡し、問題をその範囲に閉じた方がいい。」問題を細かく分割し、必要最低限の情報だけを渡して作業させることで、誤差を減らし、精度を高められます。
勉強会の後半では、より実践的なClaude Codeの設定について話が進みました。同じ作業でも、モデルや設定の選び方によって品質とコストは大きく変わります。
プランを立てる段階では、Claude Opus 4.7のような推論能力の高いモデルを使うと、抜け漏れを減らしやすくなります。方針が決まったら、Claude Sonnet 4.6のような軽めのモデルに切り替えて実装を進めるのが基本の使い分けです。「やることが決まってしまえば、そこまでブレることは少ないから、大きいモデルを使うだけロスが大きい。」プランモードのときだけOpusを使い、それ以外はSonnetに切り替える習慣が、コストを抑えながら品質を保つ近道です。
Claude Codeには、AIがどのくらい深く考えるかを調整できる「Effort(エフォート)」という設定があります。/effortコマンドで low(低)/medium(中)/high(高)/max(最大)の4段階から選べる仕組みです。プランモードで計画を練るときは high 以上に設定して精度を上げ、方針が決まった実装フェーズでは medium に固定しておくのがおすすめです。「プランを最初に練らせて、あと処理させるときは弱めのモデルの中ぐらいにすればいい。」モデルの選択とEffortの設定を組み合わせることで、フェーズごとに最適な設定にできます。
勉強会の後半、Webスクレイピングの実装でつまずいている参加者から、「Claude Codeが返してくる回答の意味がよく分からない」という相談が出ました。取締役の戸嶋は答えました。「”なんかダメで取れてないです”は、技術者としては避けないといけない回答。何がダメなのかが分からないなら、”中学生でも分かる言葉で説明し直してください”と投げ返せばいい。」
Claude Codeは、難しい内容をわかりやすく言い換える変換が得意です。専門用語が並んだ回答が返ってきたときは、無理に解釈しようとするより、難易度を下げて聞き直した方が、結果的に速く正確に進められます。取締役の戸嶋も、専門外の論文を読むときにこの方法を使っているそうです。
まず「中学生向け」で全体の雰囲気をつかみます。次に「大学1年生がこの分野に入門するための前提知識を教えてください」と投げて、理解を一段深めます。最後に元の専門的な回答を読み直す。この3ステップが特に効果的です。3段階目まで進むと、最初は意味不明だった回答も自分の言葉で説明できるようになります。
Claude Codeを使い続けていると、回答の意味が分からないまま実装を進めてしまい、後から問題が起きたときに対処しづらくなります。プランモードで計画を確認するのと同じように、理解できていない箇所はその都度難易度を下げて聞き直すことが、長く安心して使い続ける土台になります。