「AIエージェントを自分の武器に」──2回のワークショップで保険セールスが変わるまで
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2026-06-08

目次

「実行するAI」が変えるビジネスの形

「AIはチャットくらいしか使ったことがない」──そんな方が、わずか2回のワークショップで営業メールの自動送信から新規開拓フローの構築まで、自分の手で動かせるようになりました。今回は、株式会社アスプランニングの鈴木玲央様をお招きし、Village AIが提供するClaude Code活用体験セッションを全2回にわたって実施。本記事では第1回・第2回の両方の内容をまとめてお伝えします。

従来のAIとの決定的な違い

多くの方が慣れ親しんでいるAIは「回答を出力するもの」です。「メールを書いて」と頼めば文章が表示され、それをコピーして自分で送る──という流れが一般的でした。Claude Codeはこの常識を根本から変えます。「会計事務所に営業メールを送って」と指示するだけで、文章の作成からGmailでの送信まで、AIが実際に手を動かして完結させます。プログラミングの知識もエンジニア経験も一切不要です。必要なのは「やりたいこと」を言葉にするだけです。

AIを毎日触っているのに、なぜ仕事が変わらないのか

非エンジニアが2週間でシステムを自作した事例

Village AIの本社がある種子島では、建設会社の非エンジニア社員がClaude Codeを使い、2週間で勤怠管理システムを自作しました。従来はキントーンなどのSaaSサービスに年間約40万円かかっていた運用コストが、約7万円まで削減されました。「エンジニアでなくても自社システムを作れる時代」が、すでに現実のものとなっています。

非エンジニアが作って今も動いている勤怠管理システムの実例

第1回:AIエージェントを体感する──AI社員チームができるまで

第1回のセッションは「まずAIエージェントがどんなものかを体感してもらう」ことを目的に実施しました。業務内容を入力するだけでAIが自動でエージェントチームを構築する一連の流れを、リアルタイムで体験していただきました。

エージェント・サブエージェント・スキルの3層構造

AIチームの仕組みをポケットモンスターで例えると分かりやすくなります。全体を指揮する「エージェント」はポケモントレーナー、専門処理を担う「サブエージェント」はピカチュウなどの各ポケモン、そして定型作業を自動化する「スキル」は技(1000ボルトなど)にあたります。鈴木様の業務内容を入力すると、この3層が自動で構築されていきました。

AI社員チームの構造:エージェント・サブエージェント・スキルの3層

15〜20分で完成した専門家チーム

業務内容(保険セールス、事業内容など)を入力してボタンを押すと、AIが自動で専門家チームの構築を開始しました。約15〜20分で「戦略企画」「営業推進」「顧客管理」「採用」「コンプライアンス」など、保険業務に特化した部門別エージェントが揃いました。さらにメモリ機能により、過去のやり取りをすべて記憶します。「前に言ったのに忘れている」というチャットAIあるあるの問題も解消されています。

実際に営業メールを作ってみた

チーム完成後、鈴木様は「会計事務所向けに営業メールを送りたい」と入力。AIがプランを提案し、鈴木様が承認するとメール文面の自動作成が開始されました。保険業界のコンプライアンス(断定表現の禁止など)も自動で考慮した文章が生成され、その精度の高さに、鈴木様から「めちゃくちゃいいですね」という言葉が出ました。

保険営業×AIエージェントで広がる可能性

第1回のワークショップを通じて、鈴木様から「これはできる?」という質問が次々と生まれました。そのすべてにVillage AIの倉澤が「できます」と答えた場面は、鈴木様の関心が一気に高まった瞬間でした。

営業メールの全自動化

ターゲットのリストアップから文面の作成、送信まで、営業メールにまつわる一連の作業をAIに任せることができます。人間が行うのは最終的な内容確認と送信の承認だけです。リサーチや文章作成に費やしていた時間を、本質的な営業活動に充てられるようになります。

問い合わせの自動返信とカレンダー管理

Googleフォームからの問い合わせに自動返信する仕組みや、受信メールの内容をGoogleカレンダーに自動登録する連携も実現可能です。カスタマイズ設定でGmail・Googleカレンダー・Google Driveなど主要ツールと接続することで、メール・スケジュール・ファイル管理まで一元化した自動化が広がります。

指示を待たず、先回りして動く

セッション中、画面に戦略プランが表示されているのを見た鈴木様が「何か自分で提案してきてますね」と気づく場面がありました。AIが指示を受ける前に、自ら「紹介の仕組みを自動化しませんか」といった提案を出してきていたのです。さらに印象的だったのは、保険業界のコンプライアンス上の注意点を、こちらが伝える前にAI自身が文章に反映していた点です。「これはもう先にこっちが言わなくていいですね」──金融・保険業界特有の厳しいルールを踏まえた上で、絶妙なラインの文章を自動で生成してくれました。その様子を見て、鈴木様から「これはまさに社員ですね」「確かに社員と呼びたくなります」という言葉が自然に出ました。

第2回:応用編──繰り返し作業をゼロにする

第2回は「実務で即使える自動化」にフォーカスした応用編です。第1回で体験した内容を実際の業務フローに落とし込み、より踏み込んだ内容を実践しました。前回は「見て体感する」段階でしたが、今回は「実際に動かしてみる」段階でした。

「プランモード」でAIとの認識ズレをゼロに

最初に確認したのが「プランモード」の使い方です。プランモードとは、ファイルの変更やコマンドの実行を一切行わず、計画書だけを提示する読み取り専用モードです。Claude Codeに作業を進めさせる前に、やりたいことの計画をAIと一緒に詰めることができます。計画なしに実行させると意図とズレた出力が出やすくなるため、このひと手間がアウトプットの質を大きく左右します。

一発で決めようとしない。対話で育てる。

PDFサンプルを渡すと精度が格段に上がる

特に盛り上がったのが「既存のPDFを読み込ませる」という活用法です。普段クライアントに渡している提案資料をClaude Codeの専用フォルダに入れるだけで、AIがその内容を参照しながらメールを生成してくれます。「こんな感じでやってます」という実例を渡すことで、AIの出力がより自社スタイルに近づきます。さらにGmailとの連携を設定したことで、宛先のメールアドレスを伝えるだけでメール本文の生成から送信確認まで自動で進めることができるようになりました。

AIが自分でチェックする「検証エージェント」で品質を担保

第2回で新たに紹介したのが「検証エージェント」の活用です。Claude Codeは複数のエージェントを連携させることができ、「作成する担当」と「チェックする担当」を分けることで出力の品質を高められます。実際に動かしてみると、検証エージェントが「個人情報の同意ステップが入っていない」「メール内容の表現に不整合がある」といった指摘を出してきました。また、保険業界特有の「言ってはいけない表現」や法令上のルールをあらかじめ学ばせておくことで、毎回修正の対話を繰り返す手間がなくなり、最初の出力から高品質なものが得られやすくなります。

コンテキスト・モデル・メモリを正しく使いこなす

Claude Codeを使い続けるうえで知っておきたい3つの概念も解説しました。コンテキスト使用率は50%が目安で、超えたら新しいセッションを開始します。モデルはClaude Sonnet 4.6が精度とコストのバランスが最も良く、日常業務に最適です。メモリ機能を活用すれば過去のセッション内容を次回以降に引き継ぐことができ、毎回同じ説明をし直す手間がなくなります。

新規開拓の業務フローを丸ごと自動化する

鈴木様から「人力で新規の会計事務所を開拓するのは時間がかかる。かといって人を雇うコストもかけたくない」というご相談をいただき、ワークショップ内で新規開拓向けの業務フローを実際に作成しました。

具体的なフローは「メール作成 → 送信 → 問い合わせへの返信対応」という一連の流れです。宛先を指定すれば業務提携の提案メールを送信でき、返信が届いた際の対応文もClaude Codeが下書きしてくれます。

ルーティン機能で定期実行も可能

Claude Codeにはルーティン(定期実行)機能もあります。「毎朝この作業をして」という指示を一度設定しておけば、毎日自動で実行されます。定期的に送る書類や、日次レポートの作成など、繰り返し発生する作業と相性が抜群です。

2回のワークショップを通じて、鈴木様からは「人ができることは何でもできるという感覚がつかめた」「業務に活かせるイメージが具体的についた」という感想がありました。第1回で「社員ですね」と感じた直感が、第2回で自分の環境に実装されるという体験として結実した形です。

まとめ:「使いこなせる2割」へ──描く次のステップ

ワークショップの終盤、鈴木様から印象的な言葉がありました。「まだ社内には話していないけれど、自分が使いこなせるようになったらガンガン話すと思う」。念頭にあるのは、同じ職場の30代の同僚たちです。さらに「会議室に何十人か集めて、こういうワークショップをやってもらえたら」という言葉も飛び出しました。特定の担当者だけが使いこなせる状況では社内普及は進みません。チーム・会社単位でリスキリングに取り組むことが、業務改善の本質的な一歩になります。

今日一番伝えたかったこと

第1回で「体感」し、第2回で「実装」した鈴木様の体験は、まさにAIエージェント導入の理想的なステップです。セットアップさえ完了すれば、あとは「やりたいこと」を日本語で伝えるだけ。「使いこなせる2割」に入ることが、これからのビジネスで大きな差を生む時代がすでに始まっています。Village AIでは企業向けの研修・伴走支援も実施していきます。導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。